瀬戸内海・しまなみ街道の中で最も観光の目玉と言える、瀬戸田町。
そこには 平山郁夫美術館があります。
平山先生の作品は
鉱物を砕いて顔料にした絵の具を使って描かれているので
小さく砕けた鉱物がピカピカ ピカピカ自然な光を放ってて、
吸い込まれそうな美しさです。
その絵を見ると 瀬戸内海の美しさや東北・京都の美しさ。
日本人に生まれたことが誇らしい気分になります。
その平山郁夫先生が故郷の瀬戸田に帰省なさってる間に
地元の人のために講演会をして下さいました。
テーマは
「シルクロードと私」
平山先生の作品にシルクロードの作品が多いのは なんでだろう??
その答えとなる講演でした。
会場の平均年齢は65歳くらい。
平山先生は、原稿も読まずに 日本の歴史から 日本が世界とどうかかわってきたか。
そして私たち日本人が世界のためにできることを話して下さいました。
日本人は昔からシルクロードを通ってきた異文化をうまくブレンドして、日本に合うようにして吸収してきました。
他国に比べて異文化に非常に柔軟で、宗教的な美も柔軟に生活に取り入れる。
例えば 我々は基本的に仏教徒でも、
クリスマスを祝い、その1週間後には「除夜の鐘」、年が明けたらお宮に初詣もします。
戦後62年 戦争を起こさずにこれたのは そういう文化や宗教に寛容な民族だから。
そして 62年も平和を保ったことを もっと世界に誇るべきだ。
中東では同じ宗教でも宗派が違うだけで 他を認めず争いが絶えない。
そういった国に政治的には無理でも
私たち文化や宗教に寛容な日本人がその国の貴重な文化を守る支援をしていけば
そこに住む人たちも 戦争に巻き込まれて危険な目にあうこともなくなる。
世界的な遺跡を守る活動は単に芸術だけの世界でなく
そこに住む住民の命を守ることにつながる。
日本がそういう国の遺跡を守り続けることが やがてその住民に
「私たちの土地には こんなに素晴らしい遺跡・文化がある」 という誇りをもつことにつながれば
日本が支援しなくても 独自で文化を守るようになるだろう。
遺跡を守ることは=戦争の被害も少なくなること。
文化・宗教に寛容な我々日本人だからこそ、世界の遺跡をまもり
それが世界の平和につながる。
そういう内容の講演でした。
シルクロードの絵は美しいだけじゃなく そんな思いがこもってたなんて。
会場の平均年齢はかなり高めでしたが、
むしろ我々のような若い世代が聞かなきゃいけない内容だったと思います。
平山郁夫美術館のホームページ
http://www.hirayama-museum.or.jp/