22時半になるとギーサヴォア(パリの3つ星レストラン)のスタージュ生は帰る時間です。
仕事が途中でもさっさと帰らせてもらえる。それがここのスタージュ生です。
私はというと、
「帰るくらいなら厨房に呼んでもらって、ポワソン(魚の部署)の手伝いをするほうが嬉しい」
そういう気持ちをわかってくれてるから、22時20分くらいになると
「あとは俺がやるから厨房に上がってダヴィッドを手伝ってあげて」
と、いつもアントワーが地下に呼びに来てくれます。
この時間になるとダヴィッドはあと3皿くらいしか作らなくていいので、アントワーがいなくても 一人で平気。
その間に、アントワーは地下の魚処理部屋の最後の後片付けをするというわけです。
22時20分からは楽しい楽しいダヴィッド先生のお魚講座開始。
いつもダヴィッドがしてる指と目で火の入り具合を判断するポイントを実際にやりながら、わかり易く説明してくれます。
オマールの味見はいつもの事。
わざわざ小さな銀食器にいれてソースをかけてくれます。
私がする事といったらダヴィッドが使ったヘラ・スプーンなどの小さい器具を洗ったり、作業台が少し汚れたら綺麗にふき取る程度。
その度にダヴィッド先生は
「ありがとう。よく気がつくね」 と、笑顔で褒めてくれます。
作り方を説明してくれたり、褒めてくれたり、笑わせてくれたり・・・
作る皿数が少なくても私の面倒を見なくてはいけないダヴィッド先生の忙しさは、22時20分前より大変かも・・・・笑
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