パリの3ツ星レストラン・ギー・サヴォアでのスタージュにはいくつか大変な仕事がありました。
毎日大量に作るジャガイモのピュレ。
2週間に1度くらい「手伝って~」と呼ばれます。
毎日しなくていいのは、みんなで順番にピュレの仕事をするからです。
直径40センチ、深さ40センチの大鍋にホクホク皮つきのじゃが芋。
ダヴィッドが重たい銅の大鍋で茹で、熱々のお湯を水切りしてくれたら仕事開始。
いつもは誰かと3人で皮むきするはずなのに、今日は私だけ???
キッチン・ペーパーを何重にも重ねて熱々の芋を乗せ小さな包丁で剥いていきます。
火の傍だし、じゃが芋の湯気で暑い暑い。
じゃが芋が熱い熱い。
でもゆっくりしてたら芋が冷めて美味しいピュレが出来ません。
「あつっ!!」 日本語で言いながら足をパタパタ。
剥いたじゃが芋が溜まってきたら、ピュレの機械・・といっても手で回します。
大量のじゃが芋はピュレにかけるのも重い重い。
えっちら おっちら
早くしなきゃ~~~と思っても手は遅い。
「すぐ手伝うから、心配しなくていいよ。待って。熱いから気をつけて。」
と、言いながら、ピュレを回し易いように牛乳バターを入れてくれたダヴィッド
・・あ! さっきより軽く回せる。 ぐるぐる ぐるぐる
それからすぐにダヴィッド、ロホン(スーシェフ)も参戦してくれて、一気加速するピュレ作り。
私が一人でピュレを回していたときに楽に出来るようにとダヴィッドは牛乳バターを使い切ってしまいました。
牛乳バター無しでピュレを回すのは大変な力仕事です。
誰が回すんだ??私??私だよね?
ピュレを回そうとすると
「俺が回すからいいよ。」 と、重たいはずのピュレを凄い速さで回すダヴィッド。
は・・・・速い・・・・
あっと言う間に終わりました。
私はピュレは好きではなかったけれど、ギー・サヴォアのピュレの滑らかさは大好きです。
何種類か違うピュレを作ってますが、
じゃが芋の中ではトリュフ入りピュレが最高です。
ふわ~~っと、口いっぱいに広がるトリュフの香り。。。。
一番好きなのは夏の季節限定のオマールの付け合せの人参ピュレ。
じゃが芋は入ってませんが夢のような美味しさです。
初めて味見したときは大はしゃぎしました。
ダヴィッドも人参ピュレが大好きだそうです。
何度味見しても仕事中を忘れて目を閉じて味わってました・・・・・・
そしてそんな私をスーシェフ、ポワソンの2人が笑って見てました。
写真はまかないのじゃが芋のピュレです。
もちろんトリュフは入ってませんが、滑らかさは同じです。
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